肉は見た目ではないと判るセンマイ

牛や豚、鶏など、精肉になったものにはさまざまな部位があり、それぞれに独特の名称が付けられています。その多くは見た目の雰囲気から命名されており、センマイもその一つです。この部位は牛の第三胃で、第二胃を通過してきた食べ物を寄り分けるかのような働きをします。すぐに消化できそうな小さいサイズの物は第四胃へ送って、大きな物は第二胃に返します。よく知られている牛の反すうの働きの一部を担いますが、同じように反すうを行う第二胃と違って、第三胃では栄養の吸収も行われます。そのためか、第二胃よりもヒダの多い複雑な形状を見せています。第二胃のほうは、食材としての部位名ではハチノスと呼ばれ、センマイ同様、ホルモン料理の食材として親しまれています。ハチノスはイタリアンではトリッパと呼ばれ、トマトソースで煮込まれたメニューの人気が非常に高く、ホルモン初心者も馴染みやすい部位と言えます。
おしゃれなイタリア料理にもなるハチノスと違い、センマイは見た目でやや損をしている部位と言えます。タオルを思わせるような小さな突起があり、しわくちゃな形状をしていることから、なんと「ぞうきん」という、食材には似つかわしくない呼ばれ方もしています。さらに独特のグレーの色合いから、使い古しのぞうきん呼ばわりをされることもあり、初めて見る人には、到底美味しそうには思えない見た目と言えます。ところが、このセンマイは、ハチノスに負けず劣らず、ホルモン料理では非常に人気の高い部位で、ことに「センマイ刺し」と呼ばれる料理は、上手に下処理されていればホルモン特有の臭みもなく、極上の食感と味わいとで、一度賞味したら確実にやみつきになるとまで言われています。通販などで入手できるものはしっかり下処理され、茹でられていることが多く、食前にも湯通しすればさらに安心の上賞味することができます。肉の中でも刺身風の味わいが手軽に楽しめる貴重な食材の一つと言えます。スープの味を決める牛テール!ぜひとも仕入れたいブランド牛8選も読むと良いでしょう。
牛肉には、見た目からは想像もつかないほどの美味を持つセンマイ同様、ツウ好みの部位が多数あり、トンビもその一つです。トウガラシという別名もあり、こちらのほうが部位の形状から付けられたことが判る名称です。一頭の牛から2キログラムほどしか取れない希少な部位で、美しい色合いを持つ赤身肉に繊細なサシが入っており、シンプルにステーキにすることで、絶品の味わいに酔いしれることができます。牛肉のトンビを卸売に出すには、希少な高級部位であるアピールが欠かせないと言えます。ミスジ同様、注目度が急上昇しているセレブ感あふれる部位です。